2019年6月25日火曜日

日本語版の時オカ VC を英語版に変える

日本版時オカ VC を改造して英語版の時オカ VC としてプレイできるようにする話。
実機でもフラッシュカートと吸出し環境があればだいたい同じ方法で英語版時オカがプレイできます。

おりまーさんのこの方法をリスペクトしています。
海外版時のオカリナVC(wad)を日本版wiiにぶち込む方法

おりまーさんのドキュメントに書いているやり方は「すでに海外 Wii と英語版時オカは持ってるけど、Wii の切り替えが面倒だから 1 個にまとめたい人」向けです。
ここに書くのは「日本版の時オカ VC しか持っていないけど、英語版のプレイ環境も欲しい人」向けです。

時オカの日本版・英語版の差異はテキストのみなので、Wii のホーム画面に表示されるゲームイメージ画像と起動直後に現れる「クラシックコントローラが必要です」の文字以外は正規の英語版 VC と同一になります(細かいチャンネル情報とかは同じではないかも…プレイには影響ないはずです)。

必要なもの

やり方

  1. SD カードを Wii にセット。Wii から BootMii を起動し、NAND のバックアップを SD カードに作成する。
  2. SD カードをパソコンに移す。SD カードに作成されている nand.bin をパソコンの適当なフォルダに移す(デスクトップなど)。
  3. ShowMiiWads を起動。オプション→言語を日本語に、ツール→common-key を作成、モード→ShowMiiNand に変更。
  4. ツール→Extract BootMii Dump を選択。先程コピーした nand.bin を選択する。この後しばらく ShowMiiWads がフリーズしたみたいになるが焦らず待つ。
  5. これで ShowMiiWads フォルダに nand-extracteda というフォルダが作成される。オプション→Nand バックアップのパスを変更から、nand-extracteda フォルダを指定する。
  6. ShowMiiWads のリストにチャンネル名とか色々表示されたら成功。

ここまでは事前準備。きごうさんのブロマガに ShowMiiWads の丁寧な解説があるのでどこかでつまずいたらこっちを見てください。

ここからは先程 ShowMiiWads で抽出したデータから、まず普通の時オカ WAD と、英語版に改造した時オカロムファイルを作ります。その後 WadInjector を使って 2 つのファイルを合体させます(正規 WAD ファイルのゲームロム部分を英語版ロムに差し替えます)。

  1. 「ゼルダの伝説時のオカリナ」という項目を探す。見つかったら右クリックして「WAD をパック」を選択。適当にフォルダを指定して保存。
  2. nand-extracteda フォルダを開く。00010001\4e41434a\content にある 00000005.app をコピー。
  3. extract.exe のあるフォルダに 00000005.app を貼り付け。
  4. コマンドプロンプトを起動して extract.exe のあるフォルダにディレクトリ移動。(extract.exe フォルダの上で Shift + 右クリック→「PowerShell ウィンドウをここに開く」を使うと早い…と思う)
  5. コマンドプロンプトで extract.exe と入力。Please type the name~ と聞かれたら 00000005.app と入力。
  6. 抽出されたファイルの中から rom というファイルを探す。これが時オカのゲームファイルのはず。「rom」というファイルを「rom.n64」という名前に変えてから、エミュレーターにぶち込んでゲームが動くか確認する。
  7. ここからロムファイルの改造をするので、rom.n64 をどこかにコピーしてバックアップをとっておく。
  8. バイナリエディタで rom.n64 を開いて、オフセット 003E の部分にある 4A を 45 に変更する。


    • パッチを作ってみたので、バイナリ編集がめんどくさければこっちを試してみてください(使えるはず…)。使い方は rom.n64 と同じフォルダに時オカ英語パッチ.exe を置いて exe を実行するだけです。
    • ファイル名が「rom.n64」じゃないとうまくいかないので、違う名前にしてたらファイル名を rom.n64 に変えてください。
    • セキュリティソフトとかに怒られたら無視して実行するか、(面倒ですけど)セキュリティソフトを一時停止してください。
  1. 書き換えたらまたエミュレータにぶち込む。これで英語版になっていれば OK。
  2. 大分前に作った「ゼルダの伝説時のオカリナ - NACJ.wad」と、ついさっき書き換えた英語版になった方の「rom.n64」をAuto Injectuwad Injector フォルダにコピーする。
  3. wad ファイル名にハイフンがあるとなぜか怒られるので、「ゼルダの伝説時のオカリナ - NACJ.wad」の名前を適当に変える。
  4. Auto Injectuwad Injector を起動する。Console Mode を N64 に変更。
  5. Pick Rom に rom.n64、Pick Wad に WAD ファイル(さっき名前変えたやつ)を指定。表示されなければ Refresh ボタンを押すか、Console Mode を見直し。
  6. Custom Injected Channel Title に「OcarinaOfTime」と入力。(あとで変えられるのでなんでもいい)
  7. Start! を押す。「VC-OcarinaOfTime~.wad」というファイルができれば成功。
  8. 最後に ShowMiiWads を使って Wad ファイルの情報を修正する(やらなくてもいい)。モードを ShowMiiWads に変更し、ファイル→フォルダを開くから、先程作成した「VC-OcarinaOfTime~.wad」のあるフォルダを指定する。
  9. リストに wad が表示されたら右クリックして、「チャンネル名」を「Zelda: Ocarina」、タイトル ID を「NACE」に変更する。
  10. wad ファイルを SD カードに入れ、Wad マネージャアプリで Wii にインストールしておわり。日本語版と一緒にインストールできるので日本版をアンインストールしたり毎回入れ替えたりする必要はない。


WadInjector がちょいクセモノなので、うまくいかなければこの辺を確認してみてください。

  • ファイル名や指定チャンネル名にスペースやハイフン、コロンなどの記号を使わない。
  • 長過ぎるファイル名やパスは避ける。
  • rom ファイルと wad ファイルを両方 Auto Injectuwad Injector.exe と同じフォルダにいれる。
  • 拡張子を確認。ゲームのロムファイルは .n64、wad の方は .wad ファイルになっていないとリストに表示されない。


注目モードをホールドに変更するのを忘れずに。

64 実機の場合

64 実機でも everdrive や 64drive などのフラッシュカートを使うことを前提にすれば、英語版のカートリッジを買わずとも英語版の時オカをプレイすることは可能です。

SRL においてビンゴレースなどの比較的カジュアルなレースでは、エミュレーターや言語変更程度の改造を施したロムファイルの使用は許可されているので、たとえば「テキスト表示を英語に変えた日本語版ロムをフラッシュカートにいれて SRL の定期ビンゴレースに参加する」というようなことは可能です。

まあビンゴは置いとくにしても、ビンゴ以外にも英語版所持が条件の大きなレースとか、英語版が必要な時オカハックとか、いつか出るかもしれないので、言語変更の方法は覚えておくとどこかで役に立つかもしれません。

  1. 吸出し機を使って時オカのロムファイルを吸い出す。
  2. エミュレーターを使って吸い出したロムの起動確認。
  3. バイナリエディタを使ってロムファイルのオフセット 003E にある 4A という数値を 45 に書き換え。またはパッチを当てる。パッチを使う場合はロムファイルの名前を rom.n64 に変更し、パッチの exe ファイルと同じフォルダにロムファイルを置いた状態で exe を起動する。
  4. エミュレーターで書き換え済みのロムファイルを起動。英語版になっていることを確認。
  5. フラッシュカートにいれて実機で起動する。


64 実機の場合は単純に北米版のカートリッジを買うという方法もあります。Ebay で 2000 円~8000 円くらいです。PAL 版は日本版の 64 本体で動かないので注意。

バージョンの見分け方は ZSR に詳しく載っていますが、金色のカートリッジが大体初期版です。中には金色なのに中期版だったり、グレーカートリッジなのに初期版だったりするものもあるみたいですが。1 番確実なのは裏面の刻印を見ることだと思います。

それから海外版のカートリッジは日本のものと少し形が違うので、そのままでは日本版の 64 本体に挿さりません。

対処法

  • 変換アダプターを使う -> 最近はあまり流通していない
  • 裏蓋を交換する -> ドライバーでカートリッジの裏蓋を外して適当な日本版 64 カセットのものと交換する。ただし金色カートリッジを買う場合はかなり見た目が残念になる。
  • 64 本体を改造する -> 本体のカセット差込口にある出っ張りを除去して北米版も挿さるようにする。リーズナブル & スマートだが少し手間はかかる。参考ブログ