2019年8月8日木曜日

ロジックの話

ただの運ゲーじゃないんだよ!

効率の良いルートを組むテクニックの 1 つにロジックを読む(Logic Reading)と呼ばれるものがあります。

ロジックとは、ランダマ用語ではそのシードの正規攻略ルートの意味です。正規攻略ルートは Spoiler Log で確認できます。

ランダマはシード運やレースのルール次第ではロジックを辿らずに(正規攻略法を使わずに)クリアできる場合があります。ロジックを崩す方法はいくつかありますが、1 番わかりやすいのはバグ技を使うことです。シードジェネレータはバグ技を考慮しないため、バグ技を使えば一部のアイテムをスキップしたり、本来想定されているのとは違う順番でアイテムを入手できたりすることがあります。

Accessible のようなバグ制限ルールでもロジックを崩せることがあります。よくあるのはボムチュウを使って本来爆弾を使うはずの仕掛けを解くパターンです。Accessible ではボムチュウはゴミアイテム扱いで、ボムチュウを使わなくても必ずゲームクリアできるようになっています。そのためシードジェネレータがゴミだと思っているボムチュウを使って先へ進んでしまうと爆弾を入手するまでの手順がスキップされ、ロジックから外れることになります。
ボムチュウ以外にも「巨大邪神像から砂漠を逆走してゲルドの砦に入る」「ヘビィブーツをスキップし、金のウロコで水の神殿に入る」「炎の矢で闇の神殿に入る」「青い炎でドドンゴの洞窟入り口の壁を壊す」あたりのテクニックは使用自体は許可されているがシード作成時には考慮しない技なので、これらのテクニックを使って重要アイテムを入手するとロジックから外れることがあります。

ロジック通りにクリアするか、ロジックを崩してクリアするか、それ自体は問題ではありません。重要なのはロジックから外れた時に本来この仕掛けはどう解かれるはずだったのかを考えて、本来のアイテムの入手順を推測し、そこから未取得のアイテムがどこにあるのか場所を絞り込むこと、それがロジックを読むというテクニックです


具体例を見たほうがわかりやすいかもしれません。たとえば、序盤に拾ったボムチュウを使って登山道の爆弾壁を壊したら 1 個目の爆弾袋が出てきました。

ボムチュウは(Accessible では)ゴミアイテム扱いなので、ここの壁をボムチュウで壊すことが正規ルートのはずはありません。ここで「ロジックから外れたな」と気付くことができます。ではこの爆弾袋は本来どう取得されるはずだったのかというと、2 つの可能性が考えられます。

  • 別の場所の爆弾袋を先に取るはずだった

  • ハンマーを先に取るはずだった

実はここの壁は崖のところにある爆弾花を運んできて壊すこともできたりしますが、シード作成設定から許可技に指定しない限りこの技はロジックには考慮されません。なので上の通り「別の爆弾袋が先だった」か「ハンマーが先だった」かのどちらかが可能性として考えられることになります。
ちなみに爆弾袋はハイラル全土に 3 箇所配置されていて、3 つの中からどれでも 1 つ取得すると爆弾が利用できるようになり、2 つ目以降は容量拡張アイテムとして機能するというシステムになっています。

ロジックから外れたばかりの段階ではまだ何もできることはありませんが、他の爆弾袋やハンマーが見つかってくるとロジックが読めるようになってきます。

ゲームを進めて、もし 2 個目以降の爆弾袋やハンマーが 1 個目の爆弾袋より前のチェックから出てきた場合、たとえばカカリコのコッコ集めのような簡単なチェックを後で調べたら別の爆弾袋が出てきたとか、実は爆弾袋よりも前にパチンコを入手していて、そのパチンコを使って迷いの森の的当てをやったらハンマーがもらえたとか、こういう時はロジックルートに戻ります。「本当は登山道の爆弾袋の前にこっちを先に取るはずだったのね」って感じです。正規ルートに戻って順調に進めていることがわかるので、このまま素直に探索を続けていくことになります。

もし 2 個目・3 個目の爆弾袋が両方とも爆弾の仕掛けの奥にあった場合(または爆弾を事前に取っていなければ辿り着けない場所にあった場合)ハンマーを先に取るはずだったことが確定します。ロジックを読むテクニックが活躍するのは特にこういう時で、たとえばこのままゲーム終盤まで進めてハンマーだけ見つからない!となった時に、何も考えずに攻略しているとハンマーを求めて残りのチェックをしらみつぶしに探し回る羽目になりますが、ロジックを読めていればハンマーは爆弾袋を入手する前の探索範囲内にあることがわかるので候補をかなり絞ることが出来ます。

要するにアイテムの配置を意識しながら進めるとヒントが得られることがあるって感じです。ただしロジックは飽くまでルート構築の参考になるというだけなので必ず考えないといけないわけではなく、深読みしすぎて混乱したり読み間違えたりするくらいなら素直にプレイした方が良いです。そもそも読んだところでゲームクリアまでに十分な情報が集まらないことも多く、せっかく読んでも活用する機会がないまま終わることもあります。
でも自分の推測がバッチリ当たって想定通りのアイテムが拾えると気持ちいいし、上級プレイヤーの感想戦は毎回ロジックの話が中心になるので、ロジックの考え方に慣れておくとさらにランダマが楽しくなると思います。
今回のような単純な例だけでなく、複数の情報を組み合わせることでロジックが読めるようになってくるパターンなんかもあるので、色々と応用できるよう私もまだまだ勉強中です。


それからロジックを読むテクニックとは少し違いますが、それぞれのチェックの必要条件についてもしっかり覚えておくと役に立つことがあります。

突然ですがここでクイズです。次の画像の状態の時、ゼルダの子守唄を取得するにはどこに行けばいいでしょーか。

今持っている曲は、サリアの歌・時の歌・メヌエット・ボレロ・セレナーデ・ノクターン。まだ調べていない歌取得ポイントは、墓地・時のオカリナムービー・氷の洞窟・巨大邪神像・カカリコ村の火事ムービー・時の神殿という状態です。ヒントとして時のオカリナムービーがレクイエムだということだけわかっていることにします。

* * *

答えは「巨大邪神像」です。なぜなら他の場所の歌はどれも子守唄がないと取得できないから。ロジックルールで子守唄が必要な場所に子守唄が配置されることは絶対にありません。

墓地は墓を破壊する仕掛けを解くのに子守唄が必要です。時の歌ムービーはヒントでレクイエムだと判明しているので除外します。氷の洞窟はゾーラの里に入るために子守唄が必要です。実際にはホバーブーツを使って入ることが出来ますが、ロジックではホバーブーツを使ってゾーラの里に入る技は考慮されないので氷の洞窟を調べても子守唄が見つかることは絶対にありません(ただしシード作成設定で「ホバーブーツを使ってゾーラの里へ入る」技を考慮する設定にすれば氷の洞窟に子守唄が配置される可能性が生まれるようになります)。闇の神殿のクリアには子守唄が必要なので炎のメダルも取れず、従ってカカリコ村の歌が子守唄になることもありません。同じく水の神殿もクリアできないので時の神殿の歌もありえません。消去法で残るのは巨大邪神像のみになります。

子守唄が巨大邪神像にあると判明し、さらにここから実際に子守唄を取りに行こうとする場合は、砂漠越えをするか、時のオカリナを取ってレクイエムを取得してワープで取りに行くかのどちらかになります。バグありルールならそのまま砂漠越えをして取りに行くことができますが、Accessible のようなバグ制限ルールの場合今回のケースではエポナの歌が子守唄にロックされてしまっているため、砂漠越えをするのにロングフックが必要になることがわかります。ランダマではロングフックは後半の入手になることが多く、また上の例なら精霊石のダンジョンにデクの樹・ドドンゴ・炎の神殿と比較的クリアしやすいダンジョンが集まっているので、今回は時のオカリナムービーでレクイエムを取得し、ワープで巨大邪神像にある子守唄をとりにいくパターン説が濃厚です。したがって、おそらくオールダンジョンシードになるだろう、早い段階で爆弾とハンマーが手に入りそうだ、ロングフックがすぐに手に入らなければ早めに炎の神殿を攻略して時のオカリナムービーを見に行くのが良さそうかな、というようなことが予想できます。

こんな感じで少し頭を使うと無駄な探索を減らせることがあります。各エリアやチェックの必要条件はここのスプレッドシートにまとめられているので、特に正攻法かどうか微妙な取り方が存在する宝箱なんかは確認しておくと役に立つことがあります。